とある路線バスの情景

 ふと昨日、ラジオを聴いていて思いついたSSです。
原案的なつくりになっておりますが、
これを自分で広げるとか形にするといった
展開は考えておりません(爆)
ま、楽しんでいただければ幸いですが
感想をもらえるともっと励みになります。
駄目だしでもネ!(笑)



 『 とある路線バスの情景 』


バス停で一番前に並んでいるのに、座れ無い事は承知している
このバス停の一つ前が折り返しバス停であっても
同時刻に終業を迎える会社ばかりだから
帰路は自然と同じ時間帯のバスを使うこととなる。
工業地帯の数少ない路線バス、
バスを使えば最寄り駅まで30分で辿り着けるのだから
歩きで一時間以上掛けるよりはマシと言うもの
その分会社からも定期代は出ているのだから

車で通勤する奴等も多いが、
出勤時間が渋滞で左右される事を考えると
バス電車通勤は事故さえなければ安定しているといえる
まして事故が起こったところで、
同じ交通機関を使っているもの皆が被害に遇うわけだ
その辺、いくらかは融通を利かせてくれる上司も多少は居る
まぁ無理な時は無理なんだが…………

出勤は混雑を避け、2・3早い電車やバスを利用するが
その反動か、帰路に関しては終業して一番最初に乗れるバスを使っている
どんなに混雑していても、いち早く帰宅してゆっくり自分の時間に浸りたいのだ
バスや電車の混雑が嫌なら会社の近くに住めば良いのだろうが、
それは何かと上司に便利に使われる身になると予想できるのだ
休日出勤手当ても着かない様な、ほんの片手間を気楽に頼まれてしまうのだ
僅か数分で済むんだ、良いだろ?じゃないよな!
その数分の為にスケジュールが組まれてしまう訳だ
気楽に飲む訳にも遊びに出かける訳にも行かなくなるじゃないか!
そういう奴等が会社近くの社員寮にわんさと居ると知ると
幾ら家賃や食費が浮くとは言え、ゴメン被りたくなる物だ
それに比べれば、満員のバスに駅前渋滞にあう事があっても
通勤時間が1時間掛かろうとも、それ程悪い条件には思え無い
なんて毎日毎日自分をなだめながら郊外のがたがた道をバスに揺られる


夕方のバス車内には疲れ切った顔で床を見ている人ばかり
つり革組みも周りの状況を死んだような目で虚ろに向けているばかりだ
辺りは大分暗くなり、車内も静かだ
自分の会社から数えて二つ目のバス停で止まる
二人の影がバス停の看板と並んでいた
高校生だろうか?男の子と女の子??
男の子がバスに向かおうとすると、女の子が彼のシャツの裾を引っ張っていた?
まだ初々しいカップルなのだろうか?
扉が開き僅かの時間ではあったが、不自然な間があった
そこに車内放送がいきなり小声で流れた
『 ただ今、左方で少々トラブルがありました。
お疲れの所申し訳ございませんが、少しだけ時間をください 』
その放送を聴き、一斉に乗客がそちらに視線を向けた
するとそのカップルはお互いに身体を近づけ
彼氏は彼女の額に口付けしていた
すかさず車内放送が入る
『 間もなくバスは運転を再開いたしますが、
その際には冷やかしや上から目線での非難をお控えください。
出来るなら暖かな目で見守って頂ける様、お願いいたします 』
丁度放送が終わったと同時に彼は乗車してきた
乗客たちは放送にクスクス笑いはしたものの
彼を物珍しい目で見る事は無かった
彼も何事も無く窓越しに彼女に手を振っていた
バスは駅に僅かに遅れたものの、電車の時間には余裕で間に合った


数ヵ月後の同じ時刻のバスでも
乗客たちは疲れていた
自分もつり革につかまり虚ろに外を眺めていると
バス停に二つの影が過ぎった
バスは止まり扉は開く
今回も二つの影は別れを惜しんでいるようだった
そこに再び車内放送が流れた
『 ご乗客の皆様、ただ今右路肩をカルガモの親子が引越し中のようです、御覧ください 』
それぞれが右の方へ顔を身体を向けた
薄闇の先には対向車のトラックが視界を塞いでいた
皆がガッカリして視線を戻すと、乗客に一人の女の子が増えており
窓越しに彼に手を振っていた
間もなくバスは走り出した

駅に着き、バスを降りる際
アナウンスをした運転手が気になり顔を確かめた
帽子を目深に被り、薄茶のサングラスを掛けていた
顔つきはゴツく、サングラス越しの目は鋭さを感じた
一緒に運転手を紹介するパネルも確認したら
名前までゴツく、写真さえもヤバく感じた
それでも運転には乱雑さは無く、
急ブレーキを体験した事も数少なかった


それから数年経った
やはり運転手はその人だった
残業でいつもより2時間遅い時間のバスには人が少なかった
冬の真っ暗なバス停にバスが停まる
一人の女性の影が肩を震わせて立っていた
重い足取りで乗車してきた彼女は前方の適当なシートに座った
小さくすすり泣く声が聞こえる
途端に車内が重く暗くなる
シーンと静まる車内
何時もの混雑する時間からずれている為か住宅街だからなのか
喧騒とした音が欲しくても手に入らなかった
ふとボソッと『 バス、ガス爆発 』と声がしたと思ったら
運転手席からブフォッ!!!っと音が聞こえた
すかさず車内アナウンスが入り
『 大変失礼いたしました、
尚このガスは引火性が少ないものと思われます。
ご安心ください………… 』
一瞬あっけに取られた車内が一気に笑い声で満ちた
降車の際、運転席を見たら脇にBooBooクッションが畳んであった



自分の年齢はいつの間にか40を過ぎていた
先日、ずっと勤めていた会社をリストラされてしまった
今では家族もあるから、何時までも収入無しではいられない
そんな時、目に留まったのがバスの車内の運転手募集だった
仕事の都合で取った大型二種免許も今では重宝しそうな状況だ
試験官達が目の前に並ぶ状況、
バス運転手になりたい気持ちを聞かれ
自分は過去にあった運転手の機転の利いた出来事を説明した所だった
そしてこう付け加えた

『 私にはその様な機転は無いかもしれませんが、
  お客様と共に安全に毎日を過ごす事を目標としたいのです 』

すると真ん中に座る強面の試験官は、
手元の机においてあったサングラスを着けた







     -end-


 稚拙なのは承知しております(笑)
一気に書き上げたので至らない部分、
頭が回ってない所や誤字脱字もあるかと思います。
それでも久々に一本書き上げたのは
ホント、勢いだよねぇ(汗)
たまには書きかけの文章にも気持ちが向くのですけど、
中々ね…………
忘れる事は無いのですけど、進まないんですよねぇ(汗)
それでも何時かは完結させたいとは今でも思っております
それではまた!
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まとめteみた.【とある路線バスの情景】

ふと昨日、ラジオを聴いていて思いついたSSです。原案的なつくりになっておりますが、これを自分で広げるとか形にするといった展開は考えておりません(爆)ま、楽しんでいただければ幸いですが感想をもらえるともっととある路線バスの情景』バス停で一番前に並んでいるのに...

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